製作2日目 2P 

アクリル絵具による塗装法その2

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13・フィギュアの顔の塗装

 いよいよフィギュア塗装の最大の難関、顔の塗装です。ここで全体の仕上がりの7割以上が決まります。
繊細な作業になるので、気分を落ち着けて、雑念の無い集中した状態で臨むのが肝心です。

 また、塗装に使用するのはタミヤの「高級面相筆 小」(400円)か、「モデリングブラシHF 面相筆 細」
(250円)が良いです。100円の通常の細筆では上手くいかないので使用しません。また、お金に余裕の
ある方は、1000円以上の画材用の筆を使用するとなお良いでしょう。
 

 まず、瞳の塗装から。
 最初に、瞳のモールド部分全体に白目を塗ります。
白目部分に使う白は純白ではなく、若干グレーか青
を混ぜて明度を落とした「くすんだ白」を使います。

 次に、瞳の部分を塗ります(作例では紫色)。
瞳はそのフィギュアの視線を決めるので、目線の方向を
意識して位置を決めます。また、瞳の面積によってキャラの
雰囲気が変わるので、微調整が必要。
瞳の色がはみ出したり大きすぎたりした場合は、白目の色
や肌色で修正します。

 瞳を塗ったら、瞳の色に白を加えた色で、ハイライトを
書きます。

 顔の塗装が完成した所。
アニメフィギュアの顔は、リアルな人間の顔とは全く
異なるので、実物の骨格などはあまり考えない方が
良い様です。
 また、アニメ絵の原画は極端に左右非対称な事が
多いので、立体でも左右対称にはこだわらない方が
むしろ味が出ます。

 次に、瞳の中央に黒で瞳孔部分を描きます。
大きめに描いた方が可愛らしい印象になります。

 また、最近のアニメキャラでは黒い部分を塗ら
ない事も多いので、その場合は、ハイライトを瞳の
周囲全体に描いて、中央に濃い色に残すとそれら
しくなります。

 瞳を描き終ったら、今度は眉毛を描きます。
 黒で慎重に描きます。

 が、失敗したりどうも変だと思ったら、肌色で修正します。
「こりゃあ駄目だ」と思っても、タッチアップで修正すると
案外見栄えが良くなるものなので、あまり深刻に考えず、
「おかしい部分は後で直そう」位の気持ちで描くと良いです。

 次に、頬の赤色を描きます。
これは肌色に赤を少量混ぜて、薄く水で伸ばして
さらっと描きます。
 ただ、この表現は最近のアニメ絵ではあまり見られない
ので、省略しても良いでしょう。
 また、パステルを使用して頬紅を付ける方法も主流です。

 眼の塗装が完了した所。
 好みで、最後に眼の部分全体にタミヤアクリルのクリアー
を塗って光沢を出すと良いでしょう。
 ただ、その際は、瞳のアクリル塗料が完全に乾いてから
クリアーを塗ります。でないとアクリル絵具が溶け出す
事があるので注意。


 アニメ絵の瞳の描き方は実に様々で、描き込みも
非常に細かい物からシンプルな物まで様々。
 慣れない内は、何か手本があった方が良いので、
適当に気に入ったキャラクターの絵の瞳を真似て
塗装すると良いでしょう。

 口の中を塗ります。
これも肌色と赤を調合した色で塗装。アニメフィギュア
の場合、口は抽象的に簡単に表現して良い様です。
以前、歯を表現したら売れなかったので(笑)。

 ただ、表情では重要な部分なので、口の形には気を
つけましよう。やはり、変だと思ったら肌色で修正。

 また、好みで口紅を描いても良いでしょう。

 前髪の部分に白でハイライトを描いている所。
 これもアニメ的技法です。

 アニメフィギュアの場合、適当に原画やセル画に
描かれている表現を取り入れて塗装すると
面白い効果が出ます。

 顔以外の細部は、今回のフィギュアの場合は
あまり難しい部分は無いので楽です。

 とりあえず、指の爪をちょんちょんと細筆の先を
使って描きます。色は肌色+赤。

 爪の塗装は省略しても良いですが、アクセントにはなります。

 全塗装が終わった状態。あとは瞬間接着剤で各パーツを
接着します。

 そして完成です。
ただ、組み上げた状態で一度全体をチェック
し、気に食わない部分があれば、タッチアップ
して修正すると良いです。全体を組んで初めて
判る部分も多いので。

 筆塗りによる塗装法は、その場の修正が
簡単に出来るので、後での加筆・修正がや
りやすいです。

 納得いくまで塗りなおすのも良し、適当な所
で満足するも良し。そこは貴方の自由です。

最後に、アニメ風表現の眼の光の点を描きます。
ここで使う白は、完全な純白を使用します。


ハイライト



14・完成

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