P-39は、昔は日本機にバタバタ打ち落とされた雑魚戦闘機というイメージしか無かったのですが、最近はソ連空軍での活躍が広く知られる様になり、ある程度は地位が向上した気もします。
とは言え、ソ連以外では二線級戦闘機の扱いだったのは間違いなく、特にイギリスは殆ど実戦で使用せずアメリカに突っ返した程。イギリス空軍のパイロットは基本的に機首に機銃を装備するのを好まないのも、P-39を嫌った原因のひとつと思われます。その辺も機首に武装を集中するのを好むソ連軍パイロットとまったく逆でした。
アリソンエンジン装備機の宿命で低空でしか性能を発揮できず、零戦やBf109相手では分の悪い戦闘機でしたが、戦闘爆撃機としての素性の良さは異論の無い所で、米軍もニューギニア戦線では1944年までP-39を活用してそれなりの戦果を上げています。ソ連空軍での活躍は言うまでも無し。
アカデミーの1/72P-39は1998年の発売。エアコブラは意外とキットは多く、過去にレベルやエアフィックスなど各社から発売されていましたが、エレールのキット以外は現代に通用する物とは言いがたく、現代風のカッチリしたスジボリモールドのキットは、アカデミーのキットとホビーボスの初心者向けキットのみです。
キットのパーツ写真
ライトグレーグレーの成型色でモールドされたランナーは三枚。ぱっと見た感じはハセガワのキットと良く似たパーツ配置。
実機がシンプルな構成のため、キットも最小限の分割でまとめられています。いかにも作りやすそう。
パーツ表面のUP。アカデミーらしいかっちりとしたモールドで、パネルライン以外に要所にリベットのモールドが追加され、メリハリのある表現になっています。脚収納部にもモールドがあり、1/72としては十二分の立体感かと。
コクピット周りはシンプルな表現で1/72相応といった所。計器板はモールド表現があり。
本キットはN型と、主翼下に12.7mmガンパックを装備したQ型とのコンパチ仕様となっていますが、ランナーを良く見ると、P-400などに見られる12分割の排気管や機首装備の20mm機関砲のパーツがおまけ?でモールドされており、初期型のP-39を製作する事も可能になっています。
キャノピーは特徴的なカードア部分が別パーツになっており、開状態に組む事も可能。透明度も問題ない綺麗な仕上がり。
デカールはソ連空軍仕様のN型と、太平洋戦線の米軍仕様のQ型の物が付属。
アカデミーのデカールと言うとあまり良い印象が無いですが、本キットに付属する物はそんなに悪い感じではなく、印刷もまずまず綺麗です。