MPM 1/72 フォッカー D.21 オランダ空軍 キット紹介         トップページへ戻る


パッケージ写真



 フォッカーD.21は、第一次大戦後にオランダに拠点を移した名門フォッカー社が1936年に開発した戦闘機。複葉機から単葉機に移り変わる過渡期の機体の一つで、単葉で閉鎖式のキャノピーという二次大戦機の要素と、羽布張り構造と固定脚という旧式戦闘機の要素を併せ持っています。
 36機が生産され、ドイツ軍侵攻時に迎撃に出撃したものの、短期間でオランダ本土が占領されてしまったため一瞬の活躍に終わりました。他にフィンランド空軍向けにも輸出とライセンス生産が行われ、こちらは大戦後期まで使用されています。


 MPMのフォッカーD21は2002年の発売で、同社としては少し古めのキット。ただ、初期のキットに比べると、インジェクション製キャノピーがセットされて本体のモールドも向上しており、内容的には最近のキットとあまり変わりません。
 MPMのフォッカーD21は、このオランダ空軍仕様の他、フィンランド空軍のデカールをセットした物も発売されています。



 MPMキットのパーツ写真。MPMらしいシャープなスジボリと上品なモールド。羽布張り部分もそれらしくモールドされています。シンプルな分割で組みやすそう。


 キャノピーの透明度は良好。何故かプロペラ基部の部分がレジン製となっています。



 デカールはオランダ空軍機のマーキングが三種類付属。印刷は良好です。



 キットパーツを仮組みしてみた所。

 パーツの合いはそれほど悪くなく、少しすり合わせをすればパテ埋めは最小限で済むと思います。キャノピーの合わせもまずまず。
 プロポーションですが、ネットで検索して拾った実機写真と比べると「なんか少し違うかな」という感じ。実機は結構もっさりしたイメージで、主翼はもう少しぶ厚く、主脚のフェアリングはもっとごつい形状。MPMのキットは全体にちょっと華奢過ぎる印象です。
 ただ、極端に形が違うという訳でもないので、まあ1/72なら許容範囲ではないかと。資料も多いとは言えない機体なので、ストレート組みで問題ないでしょう。

 1/72のフォッカーD21は、大昔のフロッグとパイオニア2のキットがありますが、今風のかっちりしたモールドに仕上がっているのはこのMPMのキットなので、本キットを選ぶのが無難だと思います。簡易インジェクションキットですが製作そのものは容易なので、何機か並行して製作してカラーバリエーションを楽しむ事も出来るでしょう。