パッケージ写真
イタレリ 1/72 バレンタインMK1
本キットは2003年にイタレリから発売されましたが、元はエッシーが1970年代に発売した物で、かなりのベテランキットです。イタレリとエッシーの合併により金型が引き継がれ、現在でも現役で頑張っています。
キットパーツ写真
1/72バレンタインMK1のパーツ写真。
実は、このキットはいにしえのバンダイ1/48バレンタインのスケールダウンキットです。旧エッシーの1/72AFVは、各社1/35キットのスケールダウン版が多いのが有名ですが、いくつかバンダイ1/48が元になっている物があり、このキットもそのひとつ。
バンダイの1/48バレンタインはかなり再現度の高い傑作キットだったので、そのスケールダウン版であるイタレリ1/72も非常に出来はよく、モールド、プロポーションともミニスケールのバレンタインとしてはベスト。現在でも存在価値は高いキットです。
ただ、難点を言うと、このキットがモデライズしたのはバレンタインMK1の初期型で、特にキャタピラは初期に英本土で訓連用に使用された車両でしか見られないタイプ。肝心の北アフリカやロシアに行ったバレンタインで、このタイプのキャタピラを履いた車両は多くないと思われます。
そのため、厳密に言うと実戦仕様にはしにくいキットですが、1/72なら細かいディテールはある程度無視してもかまわないと思うので、あまり深く考えずに北アフリカ仕様やレンドリースのソ連軍仕様にしてしまっても良いのではないか、と。
キットの組み立てですが、部品精度はあまり良くないのであちこち削り合わせが不可欠です。古いキットなのでバリも多く、モールドが荒れている部分もあり。ただ、パーツ数自体が少ないため、組み立ての手間そのものは少なく、短時間で組み立てられます。プラ製のキャタピラは意外に組みやすく、車体よりも精度は高いくらい。
イタレリのバレンタインは古いキットではありますが、現在でもミニスケールのバレンタインはインジェクションキットではイタレリとフジミしか無いので、重要度は相変わらず高いと言えます。英軍ファンのコレクションには欠かせない定番キット。