ドイツレベル 1/72 グロスター・ミーティア MK.4 キット紹介         トップページへ戻る


パッケージ写真



 連合軍初の実用ジェット戦闘機として有名なミーティアですが、戦時中はF1とF3型が限定的に配備されたに留まり、本格的な部隊運用が始まったのは戦後のF4型になってからとなりました。
 ミーティアF4は、ミーティアF3に搭載されたウェランド・エンジンを強力なダーウェント・エンジンに換装したタイプで、それに伴ってエンジンナセルが前後に伸びているのが特徴。あと、旋回性能向上のため主翼の翼端が切り詰められて短い切断翼になっているのもF3との識別点です。
 F4型は英空軍のジェット化に貢献しただけでなく、アルゼンチンやオランダ、ベルギーなどに輸出され、外国に販売された輸出用ジェット戦闘機としてもパイオニアとなった機体です。



 ドイツレベルのキットと言えば「箱を開けるまで中身の予想がつきにくい」という困った特徴があります。とにかく他のメーカーのキットのOEM版が多いため、中身がイタレリだったりハセガワだったり旧マッチボックスだったり。ズベズダやエデュアルドなんて例も。勿論、往年のレベルやモノグラムのキットも現役。
 しかし、そういう従来キットの中に何の前触れも無く素晴らしい新金型キットが混ざっていたりして、どうにも油断のならないメーカーなんですよね。

 この1/72ミーティアのキットは2011年の新製品ですが、このキットも何の説明も無く発売されたため中身が予想しにくいキットでした。さて、その実態は、、、。



 問題の、中身のパーツ写真。
 一見して正体判明。MPMのキットのOEM版でした

 このキットも結構複雑な生い立ちで、最初はイギリスの大手問屋ハナンツがMPMに製造を委託して販売している「エクストラキット」というブランドで発売されていました。その同じ金型を使用して、製造元のMPMも自社ブランドで発売。更に、同じキットをOEMでドイツレベルブランドで発売した、というのが一連の流れの様です。


 MPM製という事で、キットのモールドは他の最近のMPMキットに準じる作風です。細く繊細なスジボリモールドで、多少あっさり気味ですが上品な仕上がり。ただ、見た目は綺麗ですが、厳密には簡易インジェクションキットの範疇に入るらしく、組み立てはタミヤやハセガワの様には行きません。バリやパーツのめくれが結構あるので、ある程度のすり合わせは必要です。



 透明パーツ。キャノピーと照準機パーツがモールドされています。美しい仕上がりで透明度は問題なし。


 
 デカールは大戦後のイギリス空軍仕様が二種類。いずれも銀塗装(無塗装ではなくシルバードープ)の機体。ミーティアF4が配備されていた時期は銀一色の機体が多いです。ドイツレベル版はイタリア製デカールが付属していおり、いつもながら印刷は非常に綺麗です。



 キットパーツを仮組みしてみた所。
 プロポーションはかなり良好で、ほぼミーティアの特徴を捉えていると思います。意外に太目の胴体もいい感じに再現されています。
 ただ、前記した通りパーツの合わせは今ひとつで、接着部分を丁寧に加工してすり合わせを行い、適度にパテ修正も行う必要がありそう。足回りもきちんと角度を自分で調整しながら接着する手間はかかると思います。あと、各翼の後縁がちょっと厚ぼったいのも難点。

 形式は違いますが、サイバーホビーのキットと比較すると、パーツ精度やメリハリのあるディテールはサイバーホビーが上で、全体のプロポーションや雰囲気はMPM/ドイツレベルという感じでしょうか。
 個人的にはMPM/ドイツレベルの方が好みですが、チェコ製キットに慣れていないと組み立ては難しい部分があるので、F1とF3はサイバーホビー、戦後型はMPMと分けて揃えるのが一番良いかも知れません。