サイバーホビー 1/72 グロスター・ミーティア F・1 キット紹介  CYBER-HOBBY  1/72 METEOR F.1       トップページへ戻る

パッケージ写真


 グロスター・ミーティアは、言わずと知れたイギリス空軍最初の実用ジェット戦闘機。
 ライバルのMe262に比べると保守的な設計で凡庸と言われるミーティアだが、保守的なのが幸いして黎明期のジェット機としては運用は比較的容易で、戦後は多くの国に輸出されて各国空軍のジェット化に貢献した隠れた功労者と言える。
 このキットが再現しているF・1型は、20機生産された最初の量産型で、キャノピー形状が後のF・3型と異なる愛嬌のある格好をしている。
 F・1型は、生産数こそ少数だが、1944年7月に英国本土の戦闘部隊に配備され、8月4日にV1飛行爆弾の撃墜に成功しており、連合国で最初に戦果を上げたジェット戦闘機として記念碑的な存在である。
 
 1/72のミーティアは、往年のフロッグやエアフィックスのキットがあった。最近ではMPM系列から各型の簡易インジェクションキットが発売されていたが、通常のインジェクションキットでは、このサイバーホビー製が久々の新作1/72のキットとなる。


 キットのパーツ写真
 モールドはなかなか緻密で、1/72キットの水準を越える仕上がり。ドラゴン/サイバーホビーのキットらしく細部表現にはかなり凝っていて、コクピットの側壁パーツのモールドなどもかなり細かい。また、両エンジンナセル内のジェットエンジンも再現。あと、各動翼部は別パーツになっている。

 
 キャノピーパーツとデカール、エッチング。キャノピーは開閉選択式になっている。
 デカールはカルトグラフ製で質は折り紙つき。マーキングは英本土で実戦部隊に配備された機体と、P59エアラコメットとの交換で米国に送られた星マークの機体の物が付属。
 エッチングはブレードアンテナのみで、出来ればシートベルトも欲しかった所。


 さて、パーツの見た目は綺麗だしモールドもシャープで申し分無いのだが、ドラゴンのキットは、パーツ状態は良くとも、組みあがると”あれれ、、、、”となってしまう事が多々あるので、実際に仮組みをしてみよう。


 うーん、、、、見た感じは、某社1/48にかなり似ているよーな、、。現在手元に同キットが無いので直接比較は出来ないが、プロポーション・モールドとも似通っている。
 ただ、F1型には無い翼上面のエアブレーキはちゃんと消されており、その点は某社1/48に勝る。
 プロポーションは、実機に比べるとやや胴体が太めで、機首が丸っこく、キャノピーが大き目か。正直、実機の胴体はもう少し痩せた感じで、機首もキットより若干丸みが少なく尖った印象。
 ただ、そこまで大騒ぎする程の差ではなく、よほどこだわる人以外はキットのストレート組みでもそれほど大きな問題は無いと思う。

 心配したパーツの合わせについては大きな問題は無く、かなり良好でストレス無く組めそう。別パーツになっている動翼部もピタッと決まる。パーツの合いに関しては、従来のドラゴン/サイバーホビーの航空機キットよりも向上していると言える。  

 全体としては高い水準でまとめられた内容で、いくつか気になる点もあるが、現状ではミーティアの1/72キット自体が貴重なので、とりあえずイギリス空軍ファンなら押さえておいても損は無いキットだろう。