タミヤ 1/35  U号戦車A型  キット作例  
 TAMIYA 1/35 PANZER U Ausf.A                                      トップページに戻る


パッケージ写真

パーツ写真

 タミヤの2号戦車A〜C型は、2008年に新金型で発売された新しいキットです。

 タミヤの2号戦車と言えば、MMシリーズの初期に発売された2号戦車F型が有名で、AFV少年の入門用キットとして長く君臨してきた名作。
 しかし、2号F型は1942年より生産された最終型で、初期のポーランド戦やフランス戦で使用された初期型の2号戦車の発売が以前より待ち望まれていました。その声を受けて先に2号初期型を発売したのはアランホビーやドラゴンだった訳ですが、タミヤもようやく重い腰を上げて、旧作2号のリニューアルとも言える2号戦車初期型のキットが発売された訳です。

 タミヤの新キットA〜C型は、最初に増加装甲を装着した改修タイプ(今回取り上げた作例のキット)の他、増加装甲の無い初期型もバリエーションキットとして発売されています。
 前作の2号F型から35年以上経った新作だけあり、パーツ数も飛躍的に増え、エッチングやプラ製キャタピラを採用した現代風キットになっています。ただ、その分値段も数倍に跳ね上がっているのは痛し痒しか。

 パーツはタミヤのキットとしてはかなり多めで、バリエーションを考慮しているためモデラーの側が穴開けなどの加工を行う部分が多く、少し手間がかかる印象。砲塔内部は機関砲後部や車長用シートなど、ハッチから見える範囲はある程度再現されています。キャタピラは同社1/48シリーズと同じ形式の一部一体型の組み立て式で、プラ製としてはかなり組みやすいです。フィギュアは戦車長1体の全身像が付属。

 他社製キットとの比較ですが、アランホビーのキットよりはさすがに組みやすく、全体的には勝っていると思います。ドラゴンのキットは所有していないのでちょっと不明。ただ、アランやドラゴンはキットの安定供給に難があるので、タミヤキットがやはりスタンダードになりそうですね。
 全体的に、キットの出来は水準以上で申し分ないですが、標準の工具類以外の装備品の類がほとんど付いていないのは少し寂しい所。初期電撃戦のドイツ戦車は結構補給用の備品を積んでいるので、ストレート組みだと少しあっさり気味に感じます。もう少し模型らしい遊びが欲しかったかも。


 本作例はもちろん全くの無改造で、アンテナ線を追加したのみ。初期のバーリンデンの作品の様に、可能な限り手を加えず商品見本の様な感じで組んでいます。まあ、このパターンに飽きたらたまには改造解禁するかも知れませんが。なお、2号戦車も転輪のゴム部にはパーティングラインがあるので、キット部品のラインは消さない方が雰囲気が出ます。

 キットに補給用の備品の類が殆どついていないので、逆手に取って軍事パレードに参加している感じにして、かなり綺麗に仕上げました。つや消しではなく半光沢として新品の雰囲気を強調し、ウェザリングの類も今回はごく控えめに。キャタピラも真新しい感じをイメージして、かなり銀色の輝きを強調して塗装。最近流行の塗装とは真逆を狙ってみました。
 写真で見ると、ドイツ戦車のキャタピラ(特に1〜4号)はかなり明るく写っていて銀色が強く見えるので、そういう感じで表現しました。現用のドイツ戦車のキャタピラは金属材質の質が高くてあまり錆びないので、大戦中のドイツ戦車も同様だったのではないか?と想像。

 作例は、パッケージアートと同じ2号A型として製作。フランス戦あたりはこういう姿の2号戦車が多い様です。ただ、初期の2号はさまざまな型が混ざって使われており、同じ部隊でも隣の車体と細部が異なるというケースは良くあるので、厳密にこの時期の仕様、とはっきり分けるのは難しいです。
 フィギュアもキット付属の物をストレート組み。軍服や略帽の、階級章などの類は、タミヤの「1/16・1/35 ドイツ兵階級章デカールセット」を使用。これは非常に便利で大オススメの一品。


 塗装レシピ
 車体        ジャーマングレー
 キャタピラ     ニュートラルグレー+ブラウン→銀ドライブラシ
 ゴム部       ブラック+グレー
 排気管      ハルレッド
 機銃  ガンメタル