タミヤ 1/48  M26パーシング  キット作例  
 TAMIYA 1/48 M26 PERSHING TANK                                      トップページに戻る


パッケージ写真

パーツ写真

 
 
 タミヤ1/48M26パーシング戦車は、シリーズのNo.34。
 M26は二次大戦の戦車としては出番もごくわずかで、長年キットには恵まれないアイテムでしたが、近年は1/16のビッグサイズから1/72まで一通り揃う、恵まれた状況になっているのは有り難いところ。

 M26は、M4シャーマンの次期中戦車として開発が進められていたT20中戦車の延長上にある戦車で、北アフリカで遭遇したティーガー戦車に驚いた米軍が対抗用に開発を急いだという話もあります。
 しかし、M4を更新するために開発されたT20はシャーマン増産のため採用が見送られ、M26も実用化は遅れて大戦末期に少数がヨーロッパ戦線に投入されただけに留まりました。
 このあたりの事情は、戦車の数を優先して質を疎かにしたと戦車マニアから批判される事もありますが、実際には大戦後期のドイツ軍は弱体化していてなかなかパンターやティーガーに遭遇する事は少なかったらしく、結局はシャーマン戦車で間に合ったというのが事実の様です。
 大戦中は活躍できなかったM26ですが、大戦後も生産と配備は続けられ、軍の区分も重戦車から中戦車に見直されてM4を更新する主力戦車となり、1950年勃発の朝鮮戦争では戦車部隊の主力として活躍する事になります。どちらかと言えば、M26は朝鮮戦争の兵器というイメージが強いですね。


 タミヤの1/48スケールのM26は、同社1/35のスケールダウンという感じのキット。1/35の出来も良かったので、この1/48も問題ない仕上がり。いつもの通り組みやすいキットで、特に組み立てで注意する部分はありません。相変わらずダイキャストシャーシ採用ですが、このキットはサスペンション周りはプラ製のパーツになっており、サスアームなどの再現性は他の1/48キットよりは良好です。
 キットがモデライズしているのは大戦末期〜朝鮮戦争初期に見られる初期型のM26で、細かい装備品などを考えなければ、大戦・朝鮮どちらの仕様でもOKです。キャタピラは初期のシングルピンタイプですが、これも双方の戦線で見られます。
 


 本作例はもちろん全くの無改造で、アンテナ線を追加したのみ。多少リベットや小フック類の省略が気にならないでもないですが、一切無視しています。手を加えてみたい場合は、防盾基部のキャンバスカバーを追加したりするといいかも。
 このキットの砲塔は上下分割になっていますが、上手い具合に実車の鋳造型のパーティングラインと重なっているので、完全には合わせ目を消さず、少し残す感じにするとリアルです。


 キットには朝鮮戦争と大戦末期の車両双方のデカールが選択可能ですが、作例では大戦バージョンで製作。
 とは言っても、大戦末期と朝鮮戦争では塗装などは殆ど変わりません。かなり暗くどす黒い感じのオリーブドラブで塗装されています。この時期の米軍の塗装は非常にツヤが強く、半光沢というより光沢に近いので、作例では光沢クリアーを筆でドライブラシをかける要領で塗りつけています。
 こうすると鋳物の様な質感が出て、いかにも鉄の塊らしい重量感が出ます。大戦末期〜ベトナム戦争くらいまでの米軍やソ連軍、英軍、西ドイツ軍の戦車などにも使えるテクニックです。


 塗装レシピ
 車体        オリーブドラブ+ブラック
 キャタピラ     ダークグレー+ブラウン→銀ドライブラシ
 ゴム部       ブラック+グレー
 排気管      ハルレッド
 牽引ワイヤー、機銃  ガンメタル