ハセガワ 1/48 川崎 五式戦 涙滴風防型  キット作例              トップページに戻る


 ハセガワの1/48五式戦は1995年頃の発売で、ハイペースで1/48の大戦機を発売し続けていた時の開発。実機同様、三式戦飛燕のパーツを多く流用した内容です。

 で、その出来なのですが、、、、、はっきり言って、出来悪いっス。

 うーん、なんちゅーか、「これが90年代のハセガワのキットか??」って感じでどーにもよろしくない内容。
 問題の大半は追加された五式戦用の胴体パーツに集中していて、全体に合いが悪くてディテ−ルも甘く、形状の捉え方も今ひとつと散々。分割されたG3とG9の機首パーツの合いが悪くてラインがスムーズに繋がらないので、アルテコ瞬間接着剤パテを盛りまくって修正する必要があります。また、キャノピーの合いもよろしくないので要瞬間パテ。あと主翼と胴体下面も合わないのでここも要瞬間パテ。
 プロペラもボッテリしていてペーパーがけが要るとか、エンジンの取り付けが甘くて正面を向かないとか、全体に70年代キットの様。飛燕用の主翼、脚部、コクピットパーツなどはきちんと90年代していて良い出来なので、幾らか救われているという感じ。

 ハセガワというメーカーは、普通は80〜90点のキットをコンスタントに出してくるのですが、たまに大ハズレを出す事があり、五式戦はハズレに当たってしまった模様。しかし、1/48の五式戦で一番新しいのはこのキットなので、日本陸軍機を揃えるには欠かせないキットには違いない。

 幸い、三式戦の主翼パーツ関係は問題ない良い出来なので、胴体周りのパーツを集中的にきちんと仮組み、擦り合わせ、パテ埋め成型などの基本工作をやればそれほど問題なく組みあがります。ハセガワにしては合いが悪いですが、簡易インジェクションキットよりははるかに楽だし。
 ハセガワのキットと思わず、昔の合いの悪いキットを組む姿勢で臨めば完成は近いキットです。


 本作例は、キット付属の明野飛行場の第111戦隊のデカールを使用。ちょっと透け気味でしたがなんとか貼りました。尾翼の帯はやはりぴったりとは合わないので、筆でタッチアップしてラインを繋げています。
 今回は、学研の「歴史群像」別冊「三式戦飛燕・五式戦」の資料本を参考に塗装。後期の川崎機はコクピット内部や脚収納部、プロペラまで機体上面色だったという説を採用しました。羽布張り動翼部分は銀色(銀塗装)で塗装。ちなみに、資料本で「黄緑7号色」と言われている機体色は、まんまタミヤアクリルXF-13濃緑色です。
 この学研の飛燕本は、従来説と大分違うカラーリングの説で、信じるかどうかはともかくなかなか興味深い内容です。復元された五式戦のコクピット&細部写真が豊富に掲載されているのでオススメ。
 あと、同誌で塗装解説をされている片淵須直氏って、あの名探偵ホームズの片淵氏ですよねえ。意外な所で意外な名前が。


 塗装レシピ
 機体上面        濃緑色
 機体下面        シルバー
 プロペラ         濃緑色
 コクピット        濃緑色
 脚収納部・
 カバー内側       濃緑色
 主脚柱          シルバー
 主翼前縁識別帯    イエロー+レッド


ベルモ
1/48五式戦乙
1848円

タムタム
1/48五式戦乙
1733円