バンダイ 1/144 HG ガンダムEZ-8(イージーエイト) 仮組みレビュー              トップページに戻る

 バンダイ 1/144 HG RX-79(G) ガンダムイージーエイト 定価840円(税込み)発売 1998年  

 OVAの「機動戦士ガンダム第08小隊」は、1996年より展開されたガンダムオリジナルのOVAとしては第三弾のシリーズ。舞台は1年戦争に戻り、前作0083より更にミリタリー色を強めた内容になっています。
 と言いつつ、私はこのシリーズはあまり見てなくて。中盤の1〜2話を見て挫折。TVシリーズのコンバット的な内容を期待したらちょっと違ってたんで。戦場物と言いつつあまり戦争のリアルさが感じられないのも難点で、いろんな意味で戦争の上っ面だけ見ているミーハーさがちょっと受け付けなかった。根がミリタリーの人なので、中途半端にリアルっぽいとかえって拒否反応が出るんですよねえ。

 このOVAは、途中で前期監督の神田武幸氏が逝去されたため、シリーズ中盤で1年近い中断があり、プラモシリーズも同様に初期と後期でかなり間の開いた発売になっています。
最初に発売されたのが陸戦型ガンダムとザクのセットと陸戦型ジム。そして、このガンダムEZ-8やグフカスタム以降のキットはそれらの1年以上後に発売されたため、シリーズ前期と後期でモールドのタッチなどがかなり異なっています。  

 その1/144EZ-8のキットですが、シリーズ後半の主人公機という事で、かなり気合の入った内容になっています。設定では陸戦型ガンダムの改良型という設定ですが、キットは完全新金型になり、陸戦ガンダムキットの欠点を修正してモールドも格段にシャープに仕上がっています。HGグフカスタム同様にかなりレベルの高い内容で、ある意味、翌年からスタートするのHGUCシリーズの基礎を作ったキットとも言えるかも。


 1/144 HG EZ-8のパーツ写真。
 この頃のキットは関節構造などはなるべく単純にする方向性で、分割自体は後のHGUCに比べると割りとシンプル。ただ、このEZ-8はアーマー部分の開閉ギミックなどが結構凝っていて、その部分のパーツは多いです。
 パーツのモールドは当時としてはかなりシャープな部類で、ちょっと驚き、、、。初期のHGUCよりむしろシャープで、一部の細かいモールドは最近のHGUCにも勝るかも、マジで。バンダイはたまにこういうオーパーツの様なキットを出すのが面白い所です。

 HG EZ-8の仮組み写真。

 なんか妙にカッコいいEZ-8で、かなりスマートな印象。設定画の鈍重なイメージとはちょっと異なるかも、、、、。けっこう細めにアレンジされている様です。ヒーロー体型のEZ-8が受け入れられるかどうかが、このキットを評価する際のポイントになるのかな。

 アレンジの良し悪しを除けば、キット自体の出来はかなり良いと思います。ともかくモールドがカッチリしていて気持ちがいい。パーツの合いも非常に良く、組み立てやすさは最新のHGキットとほとんど変わりません。

 このキットの関節可動範囲は十年前のキットとしてはまずまず。膝は二重関節となっており結構良く動きます。肘部分のポリキャップが露出しているのが難点ですが、このキットの場合、それほど大きくは目立たないので問題は少ないと思います。足首にもう一つボールジョイントを足せば完璧かも。

 何気にこのキットの驚愕ギミック、胸部ハッチ開閉。増加装甲部分がスライドして開く事が出来ます。操縦席ハッチも別パーツで開いた状態にする事も可能。モールドも割とそれらしく、1/144ながらMG風の精密感が楽しめます。頭の横にいるのは付属の1/144シローのフィギュア。これもけっこう精密なモールドでいい出来です。
 あと、このキットは頭部のモールドが特に素晴らしく、まるでスケールモデルの様な精密さ。特にアンテナのモールドがスゴイ。いい意味でガンプラとは思えない出来。



 脚部装甲の開閉ギミック。足首周りの装甲が可動する他、膝のニースパイクが可動式になっています。この辺も当時の1/144としては凝った構成。

 ビームサーベルは二本付いていますが、残念ながら不透明。背中の荷物ラックには、パラシュートパックを付けない時のパーツも用意されています。あと、HG陸戦型ガンダムのコンテナを取り付ける事も可能(HGUC版は不明)です。


 EZ-8のキットには、陸戦型ガンダムに付いていたコンテナや武装類の替わりに、大型の空挺作戦用パラシュートパックが付属しています。結構ボリュームのあるパーツで、パラシュートコンテナなどの分割も設定通りに再現された出来のいいオプションパーツです。ただ、ベルトはビニール製でちょっと固め。ベルトだけ何か適当な材質に変えた方がいいかも。

 細部まで良く出来たキットですが、唯一とも言える欠点は、首のポリパーツが浮いて見える点。ここは首を短くするか、ポリパテなどで首部分を新造した方がいいかも。


 HGUCジムとの比較。やはりちょっとスマート気味で、特に足が少し長いみたい。身長も若干オーバースケール気味。 ただ、腕の細さは設定に近くていい感じ。肘にポリキャップを内臓せず剥き出しなので、シルエットの方は崩れずに済んでいます。HGUC以前のキットの意外な利点。
 

 同じ08小隊HGシリーズの1/144HG陸戦型ジムとの比較。並べてみると、陸戦型ジムのプロポーションを元に、胴体幅などの調整を行って設計されたキットの模様。スマートなスタイルはHG陸ジム譲りみたいですね。

 このHG EZ-8は、多少スタイルが良すぎるという点はあるものの、ほとんどHGUCと変わらない水準のキットなので、現在でも十二分に通用する内容だと思います。無理にHGUC版を望む必要は、このEZ-8に関してはあまり無さそうですね。