バンダイ HGUC 1/144 ハイザック 仮組みレビュー            トップページに戻る


バンダイ 1/144 HGUC ハイザック 定価 1000円  

 本キットは2000年の発売。HGUCシリーズの初期のキット。
 HGUCシリーズは、MGでは発売されないマイナー系のモビルスーツも模型化していくという方針でラインナップが決められており、当初より1st以外のマイナーMSも積極的にキット化していました。ハイザックは知名度的には高くも低くも無い中途半端な感じのMSですが、とりあえずシリーズ12作目にしてHG化が行われています。

 元々、このハイザックはZガンダムに登場した時から微妙な位置付けのMSで、、、。なにせ連邦製の新型MSなのに「ザク」。GMの発展型なら素直に1stから繋がるのですが、GMの後継にザクが来るというどうにもしっくり来ない設定。しかも別にGMUというのが出てて世界観が更に混乱。
 バンダイ的には、最初のガンプラブームの立役者だったザクをZガンダムシリーズのラインナップに入れる必要があったと思われますが、ジオン公国軍は前作で敗北しているので、やむなく「連邦製のザク」という設定になって しまった様で。それにしても、このハイザックやガルバルディβが連邦軍で、エゥーゴ側にもドムみたいなリックディアスが居るというのはいささか違和感があり、その辺のすっきりしなさが、ZガンダムのMSデザインのまとまりのなさを更に印象付けていた気はします。
 
結局、ハイザックは劇中ではあまりパッとせず、ザクの様な存在感のある大人気MSにはなれませんでしたが、プラモデルは主力アイテム扱いで1/144と1/100 が発売され、どちらもなかなかの好キットでした。
 

 HGUCハイザックのパーツ写真。HGUC初期のキットですが、元のデザインがけっこう複雑な構造のため、パーツ数は割と多め。暗い黄色で成型されている動力パイプはアサフレックス製?の様な感じで、ちょっと硬めのPVCみたいな質感。塗装は一応可能の様です。
 モールドは全体にちょっと甘めで、スジボリも太くて角はダルめの印象。ゲルググF型などもそうですが、初期HGUCはモールドがあまりシャープでないキットが多いです。ただ、部品の合いそのものは悪くないので組み立ては楽です。


 パーツを組んでみた状態。
 意外にもけっこうカトキアレンジの強いプロポーションで、足が長くて肩幅の狭いスタイル。胸も平べったく、設定画のイメージとは大きく異なる感じ。今風のアレンジとは言えますが、ガッチリした旧キットに慣れているとかなり違和感があるかも。

 初期HGUCとしては、色分けはかなり頑張っている部類かと。モノアイ部分はシールで再現する様になっていて、可動は無し。
 各関節は分割式になっているため、後ハメ加工の必要はあまり無いです。この辺は初期のHGUCの方が、近作よりむしろ組みやすい。

 各関節はボールジョイント仕様ですが、可動範囲はそれほど広くは無いです。ただ、ポリキャップにはカバーがあるので極初期のギャンの様なポリ剥き出しという事はありません。ABSパーツなどの使用は無し。

 このキットの腕部分の動力パイプは設定画と大きく異なり、腕の可動を邪魔しない様に上腕部にまとめてあります。元の設定に無理があったのでこのアレンジは良いと思うのですが、パイプ受けの部分が少しゴツ過ぎて見栄えは良くないかも。

 ランドセルのスタビライザー?や板パーツは割と自在に可動。これは旧キットに無いギミックです。

 本キットに付属の武器はこの新型マシンガンのみ。ビームライフルやヒートホークなどは付属していません。このキットはただでさえパーツが多いので、価格的に難しかった様です。武装強化には旧Zシリーズの武器セットを確保する必要があり。
 ただ、本キット付属のザクマシンガンはなかなかの出来。個人的にはこのキットで一番気に入ったパーツです。ザク系キットのお約束で両手持ちも可能。

 HGUC版GMとの比較。実はハイザックは意外に大柄で、GMより一回りボリュームがある感じ。ただ、設定全高はGMと同じ18mな筈なので、HGUCハイザックは少しオーバースケール気味。

 ちょっとHGUCのアレンジが気になったので、手元にあるハイザック旧キットのジャンクを組んで比較してみました。ジャンクのため動力パイプの一部をアイザックから流用。

 うーむ、比べてみると、やっぱりアニメ版の設定画に近いのは旧キットの様です。ボリュームがあって横幅の広い設定画のイメージが良く再現されている。胸の張り出し、頭部の大きさも旧キットの方が似ている。
 今風のカッコよさを追及するとHGUCになるでしょうが、昔のイメージを残したいなら旧キットを選んだ方がいいかも。