バンダイ 1/100 MG RGM-79 GM(Ver.1)  仮組みレビュー                      トップページに戻る


 バンダイ 1/100 MG RGM-79 GM  定価2625円(税込み) 発売 1999年  

 今まで1/144キットを中心に取り上げてきましたが、今後は1/100の方も少しずつ取り上げる予定です。ただし、アイテム選択は時流と関係なく適当に行きます。で、今後の1/100キットのサイズ比較用にも使うつもりで、始めに1/100のジムを取り上げる事にします。しかも、何故かMGのVer2ではなくあえて古いVer1で(笑)。

 1995年に第一弾が発売されたマスターグレードシリーズは、それまであくまで子供向け商品だったガンプラに「高年齢層向け」という新たな需要を生み出し、ガンプラ再興の主役となったシリーズでした。
 とは言え、初期のMGは決して順風ではなく、MGゲルググなどは売れ行き不振で苦しんだ様です。また、初期のMGは数ヶ月〜半年に1作程度のペースで商品開発も遅く、主役商品にはなり切れない時期が長く続きました。

 今回紹介するジムと旧ザクは、MGが少し息切れしたかな?と思わせた時期のキットで、初代MGのガンダムとザクのキットパーツを流用した、開発費の安価な再利用キットとなっています。初期のMGの高級路線が普及路線に転換した最初のキットだったのかも。
 ところが、この直ぐ後でMGシリーズは怒涛の新製品攻勢が始まり、2000年過ぎには毎月の様に新キットが発売されるラッシュ状態となります。まったく、玩具のブームというのはいつ起こるか判らないものですねえ。



 MGジムVer1のパーツ写真。
 ご覧の通り、MGガンダムVer1のパーツを多数流用しており、新規パーツは1/3くらい。ただ、ガンダムVer1はジムのキット化を考慮していなかったらしく、けっこう不要パーツがあります。
 初期のMGのためパーツ数は少なめで、関節可動ギミックもWやXの頃の1/100シリーズと大差ないシンプルな物。ポリキャップも1/100Wシリーズキットの流用です。あと、このジムVer1は、ガンダムVer1にあったフレームの一部が省略されていて、MGキットの中では最も内部構造のパーツが少ない単純な構造になっています。
 マーキングシールは、初期のMG標準のインレタ方式のシールと普通に貼るタイプのシールが付属。何故か水転写式はありません。ガンダムVer1同様、インテーク内部にメッシュを入れる様になっています。 


 MGジムVer1の仮組み写真。
 なんつーか、もう滅茶苦茶カッコいいです!!元になったガンダムVer1をもをはるかに凌ぐカッコよさ。体型もスマートながら肩幅があって力強さもあり、凄く強そう。十分に主役メカを張れそうです 、、、、、、。
 これが、普通の主役メカだったら文句なく100点満点のプロポーションなのですが、、、。問題は、これがジムだという点。雑兵のやられ役であるジムなのにこの自己主張の強さ。このキットの発売当時 、「こんなのジムじゃない!!」と大いに物議をかもしたのも無理は無いですねえ。

 ただ、このMGジムのモデリングには、ドリームキャストのゲーム「ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で、、、」でも使われ、他の媒体でも結構使用されているので、それらの作品中の姿を再現するには、このVer1が適当なキットと言えます。主役級のカッコよさなのを逆手に取って、ジムが主役のゲームの仕様の時に使えばいいのかも。
 幸い、カッコよすぎると批判の多かったVer1を受けて、現在ではいかにも雑兵らしい頼りない造形のMGジムVer2も発売されているので、ユーザーとしては好きな方を選べば良い訳です。このVer1も、捨てるには惜しい造形の完成度があるのは確かですから。
 
 
 MGガンダムVer1を流用しているため、可動ギミックはシンプルで可動範囲も狭く、最近のHGUC以下のレベルです。ただ、その分部品が少なく組みやすいという強みもあり。コクピットは開閉可能ですが、ディテールは玩具的でちょっと開けるのは辛いレベル。
 全体にモールドの仕上がりは今ひとつで、合いもあまり良くはないです。ポリキャップが緩めで外れやすい部分もあり。その辺はやはり古さを感じさせる部分。まあ、旧キットの製作に慣れていればどうという事は無いですが。


 MGガンダムを流用したためのご都合パーツ、ダミーコア。コアファイターの代わりに取り付けます。 



ふくらはぎの開閉ギミックもガンダム譲り。個人的にはいまいち好きになれないギミックです。なお、腕と頭部の開閉ギミックはジムでは省略されています。


 これもガンダムを流用した副産物ですが、ランドセルが二種類付属しており、ビームサーベルが通常の1本と、ガンダムと同じ2本の選択式になっています。2本だと隊長機というMG独自設定。
 更に、MGジムオリジナルのバズーカラックが新たに設定を起こされ、写真の様にランドセルにマウントする事が出来ます。この辺はマスターグレードキットならではのキット独自の設定が多く取り入れられています。

 本キットにはガンダム用のビームライフルも付いているので、ご覧の様なフル装備状態も可能。こうなるとガンダムに負ける気がしません。ビームサーベルはクリア素材のがちゃんと付いています。この辺は一応高価格帯のMG仕様。

 ビームスプレーガンは写真の様に腰にマウント可能。これはなかなかカッコいいです。小型のスプレーガンを生かしたアレンジ。



 キットには可動指の手首以外に、形状重視の手首も付属。ただしモールドがイマイチ甘いのであまり要らないかも。付属フィギュアはガンダムと同じで実はアムロ?



 1/144と1/100を繋ぐ形という事で、双方のジムを並べてみました。それにしても両キットの解釈が違い過ぎてまるで別モビルスーツの様。HGUCのジムはMGの二年後の発売なのですが、僅かの間にバンダイの作風ががらりと変わった時期だった様です。

 このMGジムVer1は、MG初期のこなれてない部分が多く見られるのと、あまりにアレンジが強すぎる形状のため、Ver2.0が発売された今となっては一般的でない部分が多いですが、フレーム構造のほとんど無いシンプルな構造は塗装するにはむしろ有難いし、このアクの強い形状を生かしたモデリングも出来るので、決して存在価値が失われたわけではないと思います。幸いMGはVer2発売後もVer1が絶版にはならないので、両者を作り比べるのも面白いかも。