バンダイ 1/144 カプル 仮組みレビュー                          トップページに戻る


バンダイ 1/144 モビルカプル 定価500円  

 本キットは、ターンAガンダムのTVシリーズ放映中の1999年6月に発売。
 
 機動戦士ターンAガンダムは、久々の富野監督作品という事で期待される・・・以前に、シドミードのターンAガンダムのデザインの賛否両論の話題が先行して始まった感があって、、、、。実際、始まってからも従来のガンダム作品とは違いすぎる内容のため、プラモは当時全く盛り上がらなかったというのが正直な所。否定意見多数どころか存在感も希薄で、空気状態だったなあ。プラモ的には、MGやHGUCシリーズの方に流れてターンAは速攻忘れられてしまったシリーズでした。
 個人的には、ターンAはあまり見てないのですが、数話見た感じでは可も無く不可も無くという印象。ただ、プラモは全く売れそうに無い内容だったなあ。バンダイ的には大いに反省の残ったシリーズで、次のガンダムSEEDでは極端に売れ筋を狙った番組内容に方向転換する事になります。

 そんな感じでプラモ展開としては散々なシリーズでしたが、キット自体は佳作が多く、500円という廉価版ラインながらプロポーションは良好なキットが多いです。中でもこのカプルはシリーズ中でもベストキットの一つで、多分一番人気が高かったアイテムかも知れません。

 

 1/144カプルのパーツ写真。

 基本的には、前作ガンダムXの1/144シリーズと同じ低年齢向けの廉価版キットで、パーツ点数は少なめ。
 ただ、前作より3年ほどの間があって、その間にバンダイのレベルも向上したためか、以前あった500円キットの玩具っぽさはかなり解消され、一応キャラ物のスケールキットとしてもそこそこ通用する仕上がりになっています。

 地味な配色ながら色プラも採用。特に胴体のミサイル(?)発射口のパーツ分割は気が利いています。



 ポリキャップは1/144ガンダムXシリーズの物に一部パーツを追加した物。


 1/144カプルを組み上げた状態。
 プロポーションは抜群で、見事に設定画のカプルの雰囲気を再現しています。ZZの放映時にキット化されなかった無念が13年越しに晴らされた訳です。安全対策のためか各アーマーの縁の部分が少し丸っこいですが、アニメの劇中の可愛らしいイメージからすると、むしろいい雰囲気。
 パーツ数が少ないので、動力パイプ類などかなり一体化が激しいですが、モールドはしっかりしているので見栄えは悪くないです。また、殆どのパーツが後ハメ出来るので、かなり組み立てやすいキットです。

 あと、このキットは、厳密に言うとターンAのカプルでなく、ZZの時のカプールの設定画を元に立体化されています。カプールの設定画のディテールをあちこち消して簡略化したのがカプルの画稿なのですが、キットは元のカプールの設定画を使用している。
 そのため、厳密なカプルにするためには、肩の丸一モールドや胴体のアーマーなどのモールドを修正する必要があります。ただ、ターンAの劇中設定自体が「過去のMSが掘り出された」という物なので、この辺は厳密にこだわらなくてもいいでしょう。カプールのディテールの方が細かくて立体栄えするし。

 このキットのギミックとして、胴体と頭部アーマーが可動し、ご覧の様に球状に閉じる事が出来ます。まさにハロ状態。
 設定にある手足の引き込みはさすがに出来ませんが、あれは物理的に不可能なので仕方が無いでしょう。



 各関節の可動範囲は今ひとつで、あまりポーズは取れません。腕の付け根に回転軸がないので、ちょっと銃が構えにくいのも難。この辺は古いキットなので仕方の無いところ。脚の爪部分など肉抜き穴が目立つ部分も多いので、修正する気だと多少の手間はかかります。




 1/144ターンAがちょっと行方不明なので、いつものGM君との比較。
 ご覧の通り、ターンAアニメの劇中の大きさを再現したため、かなり小ぶりのサイズです。ZZ登場時の1/144カプールに見立てるには無理がありますが、完成品のモビルスーツインアクション(1/160〜1/170位)と並べると、カプールとして丁度いいサイズになるでしょう。

 この1/144カプルはプロポーションが良く、パーツ構成が単純なので改造ベースにはもってこいの内容。安価で直ぐ作れるので数を並べて楽しむも良し。お勧めキットです。最近はたまに再販もかかるので、TV放映時よりむしろ入手は楽になってると思います。