バンダイ 1/144 ネモ 仮組みレビュー          トップページに戻る

(この記事は、以前ブログに掲載していた文章の再録です)


 今回は、バンダイのZガンダム旧プラモシリーズより、1/144ネモのレビューを。

バンダイ 1/144 ネモ 定価500円 1985年発売


 本キットは、Zガンダム放映当時の1985年の発売。
 機動戦士Zガンダムは、「あのガンダムの続編」という事で、当時は大変期待されたアニメで、それまでMSVなどの独自展開を行ってきたバンダイも、張り切ってキットを相次いで大量に発売。で、シリーズの最初はかなり売れた様なのですが、後半あっけなく転落。1/220などの低価格シリーズなども発売してテコ入れしたのですが焼け石に水で、番組後半は尻切れトンボでキット化終了、と話題性だけあった割には、販売的には芳しくなかった様です。
 Zガンダムは、脚本陣がイマイチで話が暗すぎ、また劇中のモビルスーツが印象的に活躍出来なかったのと、バンダイ模型事業部とトイ事業部の方針の相違(従来のモビルスーツ優先か、玩具主導の変形ロボ優先か)によるゴタゴタなどもあって、上手く前作の良さを受け継ぐ事が出来なかった様です。
 最近だと、ガンダムSEEDディスティニーが、劇中のモビルスーツ演出の問題で思う様にプラモデルが売れなかったのですが、Zガンダムも同様だった訳です。やはり、劇中でカッコよく印象的にMSが活躍しないとプラモは売れないですねえ。



 1/144ネモのパーツ写真。  Zガンダムのプラモシリーズは、それまでの、バイファムやエルガイムなどのシリーズで培ったノウハウが注ぎ込まれていて、旧ガンプラシリーズよりはかなり出来は良くなっています。
 特に、バイファムシリーズで導入されたポリキャップを、ガンプラでは初めて1/144に標準で採用。手足の後ハメが可能になり、以前よりは塗装がしやすくなりました。まあ、近年のHGシリーズとは比較にならないのですが。スタイルやモールドも、旧ガンプラよりはまずまず向上。キットによって出来不出来はありますが、ガルバルディβなど、今の目で見ても遜色の無い傑作もいくつかあります。



 キットパーツを仮組みした写真。
 大体、Zシリーズでは標準程度の出来で、当時としては可も不可も無く、と言うレベルでした。が、今見ると、結構太くてガッシリした印象ですねえ。

 「山歩きと木こりで鍛えたこの身体には少々自信があります。」  

 なんか、やたらとたくましい体格のネモで、かなり強そう(笑)。キットのプロポーションは、設定と見比べない分には、割とまとまっていてさほど違和感は無いと思います。見比べると落差が激しいけど(笑)。
 当時は、エルガイムの様な細いプロポーションはMSには似合わない、と言う風潮があって、バンダイ側で骨太にアレンジしたと思われます。肩幅が非常に広く見えますが、胴体自体の横幅の広さの他、顔が細すぎるのもマッチョ体形っぽく見せている要因ですね。足もかなり太く見えますが、こちらは設定画も意外と太いので、多少幅詰めすれば良い程度かな。



 キットの可動範囲はこの程度。ポリキャップ使用で旧ガンプラよりはかなり向上していますが、ボールジョイントは未採用で、スカートも動かないので脚部可動の制限は大きいです。まあ、当時はスカート可動は自分で改造する、と言うのが普通だったのですが。




 HGUCジムとの比較。このままでも、「GMの強化改良型」と言うイメージで捉えれば悪くない気がしますが。
 初代ガンダムやMSVのキット群に比べれば、はるかに今風のつくりで若いモデラーさんでも作りやすいと思うので、旧キットに興味のある人は、まずこのキット辺りから製作してみては。HGUC版は当分出そうに無いので。