バンダイ HG 1/144 ジオング 仮組みレビュー            トップページに戻る

(この文章はブログ投稿記事を再録したものです。)


 バンダイ 1/144 HGUC ジオング 定価 1800円 2001年発売

 ジオングと言えば、富野アニメやガンダムシリーズ御馴染みの「最終ボスMS」の始祖に当たるMSで、TVシリーズ最終2話のみの登場ですが人気の高いMSです。「未完成の最終兵器」という設定もマニア心をくすぐるポイント。後に足付きの完成型のデザインが起こされたり、プラモ狂四朗でもパーフェクトガンダムのライバルに起用されています。
 デザイン原案は当時ガンダムのメカ作画を担当していた板野一郎と言われ、大河原ラインとも富野ラインとも異なる作風。直線が多く、ジオン系MSの中では異質のデザインですが、あまり違和感は無いと思います。人に近いシルエットの頭部が特徴的。

 シャアはこの超MSを駆使して、ようやくガンダムと相打ちで仕留めることに成功する。ただ、最終的には、ほとんどシャアの方が挑戦者の立場になっていて、強力なジオングの性能で辛うじてガンダムを倒せた、という感じ。 シャアの「強いけれどニュータイプとしては二流」というイメージはこの最終回で付いた気がします。そして、Zガンダムでその要素が完全に定着(苦笑)。



多色成型のAパーツ、あとグレーの単色成型のC-1、C-2パーツ。
グリーン成型ののノズル類のDパーツ。同じランナーが二枚入り。
ここだけABS樹脂製のBパーツ。
一体成型されたスカートはEパーツ。
オールレンジ攻撃時再現用のリード線、あとモノアイ用のシールが同梱。
指先はこの様にスライド成型でビーム発射口が再現されている。


 HGジオングのキットパーツ一覧。HGUCシリーズ初期のキットのためパーツ分割は割りとシンプルで、それほど凝っている感じではないです。しかし、既に一部にABS樹脂パーツが使われ、スライド金型も使われており、近年のHGのスタンダードに繋がる技術が見受けられます。





パーツを組み立てた状態。  パーツは多くないですが、元デザインがシンプルなためほぼ設定画のカラーリングが成型色で再現されています。頭部の上半分が一体パーツで、ヘルメットの様にかぽっとはめる様になっているのが特徴的。  プロポーションは非常に素晴らしく、ほぼアニメ版の設定イメージそのままです。若干肩アーマーが大きめに感じる程度。他のHGUCキットに良くある余計なアレンジもほとんど感じられず、ジオングの立体物としてはほぼ完璧だと思います。

 初期のHGUCキットに付けられた”ときめきメモリアルアクション”のポーズを取らせた状態。首が付いている”エリ”の部分と腰部分が別パーツで可動し、こういう飛行姿勢が取れます。初期のHGUCは可動範囲が少なかったため、劇中ポーズを取らせるために特別なギミックが仕込まれていたのですが、最近は元々の可動範囲が広く、特に専用のギミックを入れる必要は無くなった様です。

 スカートの裏側。各ノズルにはポリキャップが仕込まれていて別々に稼働します。あと、ちゃんと股関節が仕込まれていて、その気になればパーフェクトジオングも出せそうなのですが、今の所1/144では発売されず。ただ、スカート内部のディテールはかなり寂しく、この辺は古さを感じる出来です。

 このキットの手首は指が別々に可動し、更に指先のビーム発射穴がスライド金型で最初から開けられています。今では珍しくない成型方法ですが、当時、1/144キットでここまでやるのは画期的でした。



 オールレンジ攻撃時を再現したケーブル。ただし、ケーブルの材質はただの太いリード線で、強度も無くヘタってしまうのでイマイチ。ここは材質を変えた方がいいかも。


 本キットは7年前の製品ですが、HGとしての基礎は既に出来上がっていて、プロポーションも素晴らしいのでオススメのキットです。可動ギミックなどはシンプルですが、ジオングは元々あまりポーズを付けて楽しむMSではないので問題なし。パーツ分割が少ない分、最近のキットよりもむしろ作りやすいと思います。



タムタム
バンダイ 1/144 HGUC ジオング
販売価格 1323円