バンダイ SDガンダムBB戦士246 ストライクガンダム 仮組みレビュー    トップページに戻る


バンダイ BB戦士246 ストライクガンダム 定価525円  

 本キットは、ガンダムSEEDのTVシリーズが放映された2003年に発売。
 
 ガンダムSEEDは、プラモデル展開は必勝体制で最初から多くの種類のアイテムが発売され、特に主役のストライクガンダムは1/144が二種類と1/100、1/60、そしてBB戦士と5種類が番組前半の時期に一気に店頭に並びました。出だしからここまで強気の商品展開が出来たのは、2000年頃から好調だったMGやHGUCの実績があったからでしょう。

 BB戦士ストライクのパーツ写真。
 このキットは、BB戦士ながら1/60キットをスケールダウンした様な緻密なモールドが特徴で、ディフォルメモデルらしからぬ精密感がランナー状態でも伝わってきます。SD体型のBB戦士にリアルなディテールを落とし込む作風は、BB戦士200番のRX-78ガンダムを受け継ぐ物ですが、ストライクガンダムはそれらのキットの経験を踏まえて更に手堅いつくりになっている印象。
 

 BB戦士ストライクのキットを組み上げて、付属のホイールシールを貼った状態。
 2003年のキットとしてはかっちりとしたモールドで、リアル頭身のストライクのキットよりむしろシャープに仕上がっているかも。
 顔の造形が特徴的で、BB戦士にしてはかなり強面で可愛らしさはあまり無く、純粋にカッコよさが追求されています。
 パーツの省力化のためフレーム部分などの色分けはされていませんが、そのためノーマルガンダムに近い配色になっています。

 ただ、このキットは本体の出来は非常に良いのですが、ストライカーパックが一切付いていないのが大きな難点です。
 番組開始当初の時点では、バンダイ的にはユニットをつけない状態がストライクの通常形態のつもりだった様で、コレクション1/144や1/60もストライカー無しの単品で発売されたのですが、実際のアニメ劇中では常時エールストライカーパックを装備していたので、1/60やこのBB戦士はちょっと微妙な内容になってしまいました。
 その後、1/60とBB戦士で三種類のストライカーパックを同梱したデラックス版が発売されていますが、デラックス版の方はなかなか再販されないため入手困難なのが厳しい所。

 このキットはそれまでのBB戦士のキットに比べて可動ギミックが非常に凝っているのが特徴で、ほとんどポーズが固定状態だったそれ以前のキットから飛躍的に進歩しています。腕は肘や手首が可動し、ほとんど1/144HGと同等の可動をこなし、足は股間と足首にボールジョイントが仕込まれて自在に可動。
 近年のBB戦士でスタンダードとなる可動ギミックを確立したのがこのBB戦士ストライクのキットと言えます。


 BB戦士ストライクの凝りまくった可動部分の例。足首のつま先部分にポリキャップが仕込まれており、つま先部分が可動する様になっています。
 また、肩の付け根にもポリキャップが仕込まれ、肩自体をスイングさせる事が可能。1/144HGではOO時代に導入されたギミックが、なんとこのBB戦士ストライクには既に採用されていた訳です。
 ストライクのギミックはBB戦士としては凝りすぎていたためか、その後のキットではむしろ簡略化された可動に戻っています。そのため、このBB戦士ストライクは現在でもポーズ可動ギミックではBB戦士の最高峰の一つと言えるかも知れません。



 エールストライカーが無いためビームサーベルは付きませんが、ストライクの初陣で印象的だったアーマーシュナイダーが付属。BB戦士でありながら、この武器できっちり構えてポーズを付ける事が出来てしまうのが、このキットの凄いところ。腰の部分も若干ですが回転し、更に前後にスイングする機構まであります。



 背面写真。ディテールはなかなか細かく出来ていますが、やはり背中が少々寂しいのが難点。



 後継機のフリーダムとの比較。モールドはむしろストライクの方がシャープだったり。あと、フリーダムは肩とつま先の可動が廃止され、可動に関してはやや後退しています。しかし、SEED系BB戦士のスタンダードになったのはフリーダムの可動の方で、ストライクは設計者の力が入りすぎて”やりすぎた”キットだったと言えるかも。


 1/144HGストライクとの比較。
 やはりモールドのシャープさはBB戦士の方が上で、全体に甘い仕上がりのHGストライクより精密感が高い。肩パーツなんかはHGに流用したいくらい良い形状です。

 
 BB戦士ストライクのキットは、2003年のキットとしては時代を先取りしているかの様な内容で、古さをほとんど感じさせない素晴らしい出来です。
 出来ればストライカーユニットがセットされたデラックス版の方をお勧めしますが、ノーマルのキットでも500円以上の価値は十二分にあると思います。