バンダイ AG 1/144 ジェノアス 仮組みレビュー            トップページに戻る



バンダイ AG(アドバンスドグレード) 1/144 ジェノアス 定価 630円  

 本キットは、ガンダムAGEのアニメ放送開始とほぼ同時に、2011年に発売されました。。

 2000年代のガンプラは、MGやHGなどの高年齢向けキッのラインナップが大成功を収め、一大成長を遂げた時期でしたが、一方で小学生などの低年齢向けキットは今ひとつ振るわず、SEED初期ではヒットした300〜600円台のコレクションシリーズも、SEEDデスティニー後期以降は伸び悩み、OOの前半で低価格キットは開発そのものが打ち切られる事になります。
 しかし、ガンプラの本来のユーザーはやはり小学生高学年くらいの児童。 バンダイもそれを忘れた訳では無かった様で、2011年より開始されたガンダムAGEは低年齢層をターゲットとしたアニメ作品となり、それと同時に低価格の簡易キットも復活する事になりました。

 今回の低価格キットシリーズはアドバンスドグレード(AG)という名称が付けられ、ゲイジングバトルという店舗据え置きのゲーム筐体との連動機能も加えられています。ただ、ゲームの方はちょっと年齢的にプレイはキツイ物がある(笑)ので、本稿ではキット内容についてのみレビューします。

 

 AGジェノアスのパーツ写真。低年齢の子供でも組み立てられる様に、パーツ数は極度に抑えられています。前作OOのFGキットよりもシンプル。今回は可動が大胆に切り捨てられ、ポリキャップすら省かれています。ただ、頭部のカバーがきちんと透明パーツになっているのは面白い点です。

 筐体ゲームに対応したカードとICチップ。チップは機体の中に組み込まれる様になっています。

 AGジェノアスのパーツを組んでみた所。
 ぱっと見にはなかなか良く出来ていて、そんなにチープさは感じません。モールドはカッチリしているし、色分けも低価格キットにしてはそこそこ。肉抜き穴はシールドの裏と脚の付け根の裏側が目立つ程度です。
 ただ、手持ち銃が一パーツのためペラペラに薄いのが難点。ここは2パーツ分割の方が良かったかも。

 このキットの特徴は、可動ギミックをバッサリ切り捨てている点で、本当に動きません。可動箇所は頭部と両肩のみ。両肩のジョイントもただの棒なので、その部分がただスイングするだけです。下半身に至っては、ご覧の通り股間も一体成形のためまったく可動部分はありません。
 なんらかの可動にこだわってきたガンプラシリーズの歴史上では最も動かないキットで、かなり大胆な設計とは言えます。

 この可動を廃した点ですが、個人的にはこれもアリかな、と。
 動かないとはいえ、固定されたポージングそのものはけっこうカッコよく決まっているので、飾って楽しむ分には問題ないと思います。
 また、HGや以前のコレクションシリーズは関節やパーツがボロボロ落ちるのが難点でしたが、可動を廃したためパーツが落ちる事も無く、子供に持たせても安心出来るのも大きな利点です。特に今回はゲーム機との連動機能もあるので、子供が手に持って歩き回るという点も想定した仕様なのでしょう。

 低価格キットながら頭部のバイザー?はクリアパーツで、その奥のメカ部分のモールドもちゃんとあるので、精密感のある仕上がりになっています。このキットのポイントの高い部分。

 ゲーム筐体と連動するチップは背中のランドセルに収納します。チップそのものは軽いので、内蔵しても倒れやすくなるという事はありません。


 HGのAGE-1との比較。ガンダムよりむしろ骨太でガッシリした体型。殴り合いをするとガンダムに勝てそうですが、実際には性能ではジェノアスはAGE-1にまったくかなわないみたいです。量産機の悲しさ。



 こちらは量産機の大先輩、HGUCジムとの比較。
 腰がやけに細い以外は、けっこう良く似たバランスかも。サイズもほぼ同じくらい。

 HG版AGEキットの方は従来のHGシリーズを継承した内容でしたが、AGの方はコレクションシリーズから更に可動ギミックを取り払うという大胆なキット内容でした。
 実際に触ってみると、中途半端に可動を残していた従来の低価格キットよりもむしろすっきりしたと思います。下半身のポージングがきちんとしているので、立たせた時の見栄えは良く、手軽に飾って楽しむには問題ありません。
 可動を楽しみたければHGを買えばいい訳で、AGとHGの住み分けも出来ているし。低価格キットの一つの答えが見出せた印象で、個人的には高評価を与えたいと思います。