バンダイ SDガンダムBB戦士198 ゼータガンダム 仮組みレビュー    トップページに戻る


バンダイ BB戦士198 ゼータガンダム 定価525円  

 本キットは、HGUCシリーズが開始され、BB戦士シリーズでもターニングポイントとなった年の1999年の発売。
 
 1980年代末に開始されたSDガンダムBB戦士シリーズは、本家のTVシリーズが放送されていない時も一貫して高い人気を維持し続け、1990年代前半ではむしろガンプラの主力商品とも言える位置づけでしたが、90年代後半には武者ガンダムシリーズもマンネリ化し、ライバル関係にあるミニ四駆のブームで劣勢に立たされていました。1990年代後半は、TVシリーズも途絶えて、MGシリーズも伸び悩み、BB戦士シリーズも低迷していたという、ガンプラにとっては非常に辛い時期だったと思います。

 しかし、粘り強い商品展開では定評のあるバンダイ。1999年にプレイステーションのゲームソフト「SDガンダムGジェネレーション」との連動企画で発売されたプラモシリーズ「SDガンダムGジェネレーション」がヒットを飛ばし、BB戦士シリーズは息を吹き返す事になります。
 Gジェネレーションのキットは、当初は黎明期の旧キットに追加パーツをセットした焼き直しでしたが、好調なセールスのため後半は完全新金型のキットが主体となります。また、GジェネレーションのキットはBB戦士のナンバーとは別枠になっていましたが、本家BB戦士の方でもGジェネと連動企画で発売されるキットが増え、今回のゼータガンダムも、BB戦士のナンバリングが与えられながら同時にGジェネの名も冠された、ちょっと複雑な商品表記となっています。

 BB戦士ゼータガンダムのパーツ写真。
 このキットは、BB戦士でありながら非SDのマスターグレードのキットに近いディテールを施されたデザインで、それまでの玩具然としたBB戦士のキットとはかなり作風が異なっているのが特徴。SDでありながらMGの様なリアル感を演出する、というコンセプトで、同時期に発売されたRX-78ガンダムやMS-06Fザクなども、同様にリアルなディテールが施されていました。
 機体の表面には、MGゼータガンダムVer.1を縮小した様な細かいディテールが彫刻されています。多色成形で色分けされたカラーもMGキットと共通の色合い。ただ、1999年の発売という事で、現在の目から見ればちょっとスジボリなどは甘め。バリなども多少見られるので、組み立てる際は削り取っておきましょう。


 BB戦士ゼータガンダムのキットを組み上げて、付属のホイールシールを貼った状態。
 当時のBB戦士としてはかなりカラフルに色分けされたパーツで、豪華な仕様と言えます。アニメ設定と比較すると足りない部分も多いですが、素組みでもまずまずそれらしくは見えます。シャープなマスクがなかなか男前で、ゼータガンダムらしさの残る良いディフォルメ。

 BB戦士が可動に力を入れる以前のキットのため、あまりポーズは取れません。手足も付け根で回転する程度で、あとは腕が横に開くくらい。
 ただ、後述の変形ギミックがあるため、あまり欠点とは感じないでしょう。


 武器はノーマルのビームライフルの他に、長大なハイパーメガランチャーが付属。メガランチャー自体もMGキットに準じた細かいディテールが施され、BB戦士らしからぬ迫力があります。



 武装関係では、銃火器の他にビームサーベルが付属。ゼータガンダムの主要な装備は一応付いています。



 ここから先が、このキット最大の売りの変形ギミック。
 SD体型では流石に完全変形は不可能で、頭部と腰の前部アーマーは取り外します。



 不要パーツを取り外した後は、胴体が開いて脚の位置が外側に移動し、腕が中央部分に収納されて、フライングアーマーが左右に展開。主翼が開いてテールスタビライナーも可動して後方に伸びます。
 これだけのギミックが、なんと組み替えなしで変形可能!正直、この変形ギミックは驚きました。小さなBB戦士の胴体にここまでギミックを仕込むのは凄い。
 もちろん、本家のMGゼータガンダムの変形に比べればかなり簡略化されていて、むしろ旧HGゼータに近い変形ですが、変形玩具としての楽しさを十分に味わえると思います。
 最後に取り外していたシールドを取り付ければ、ご覧の通りのウェーブライダーが完成。変形ギミックだけでなく、形状もなかなかカッコイイ!


 変形後の形態がなかなか良かったので、沢山写真を載せてみました。
 ご覧の通り、変形後にビームライフルとメガランチャーを装着可能で、メガランチャー部分にオリジナルの二脚銃架を取り付ける事により、飾り台の役目も果たします。 BB戦士のキットは、通常のHGやMGよりも、こういった設計者の遊び心が見えて面白いですね。




 ちょっと同時期のキットが不在だったため、BB戦士フリーダムとの比較。
 2002年以降のBB戦士は手足の可動ギミックを重視する様になったため、それ以前のBB戦士より体が大型化していて双方を並べにくいのが難点。
 とはいえ、ゼータガンダムのディフォルメも特に悪い感じではなく、今見ても良くまとまっています。
 
 BB戦士のゼータガンダムは、旧世代のBB戦士の方に分類されるキットではありますが、変形ギミックなど最近のBB戦士には見られない面白い要素を持った内容で、今でも十二分に購入価値のある傑作キットだと思います。