バンダイ HGUC 1/144 ジェスタ 仮組みレビュー            トップページに戻る



バンダイ HGUC 1/144 ジェスタ 定価 1680円  

 2011年に発売されたHGUCの新作キット。

 映画「逆襲のシャア」のその後を描いたガンダムの宇宙世紀を題材にした小説「機動戦士ガンダムユニコーン」は、大々的にメディアミックスが展開されてオリジナルビデオシリーズもヒット。本家ともいえるプラモデルでも、MGやHGUCで続々と登場もビルスーツがキット化されています。
 とは言え、当方は小説もアニメもほとんど見ていないので、劇中の内容は良くわからず。もともとガンダムのアニメは富野作品も含めて駄作が多いと思っている(本音)ので、よほど必要が無い限りはあんまし見る気が起こらないんですよ、、、、。基本的には模型を中心に楽しむ姿勢でガンダムとは付き合っています。

 ガンダムUCのキット自体は最近のキットでもあるし、水準は全体的に高い様です。ただ、モビルスーツが大型化した逆シャア時代を引き継いでいるので大柄なMSが多く、1/144のHGUCでも値段は比較的高めになっています。 

 今回紹介するジェスタと言うMSは、説明書の解説を読むとジェガンの強化バージョンみたいな上位の高性能量産機だそうで、デストロイモードの稼働時間が短いユニコーンガンダムの支援用に配備されているという設定。離着陸時の機動性に難があったMe262を援護するFW190Dみたいなもんですかね。
 デザイン的にはシールズなどの特殊部隊みたいな格好で、”要人”ユニコーンガンダムを警護する任務のモビルスーツという感じか。


 HGUC 1/144ジェスタのパーツ写真。
 意外と複雑で色分けも結構細かい部分があるデザインのため、胴体などが細かく分割されていてパーツ数は比較的多めです。ABSパーツは未使用。
 ポリキャップはHGOOシリーズと共通のPC-001で、平手パーツはジェガンなどと共通の物が付いています。
 


 HGUCジェスタのパーツを組んだ状態。
 カトキハジメ氏によるデザイン画と比べるとかなりスマートな印象で、特に太股が長くひょろ長く見えるプロポーション。設定だとジェガンの重装甲バージョンの様な事を書いているのですが、キットだとあまり重厚さは感じません。最近のバンダイの流行の体型と言ってしまえばそれまでですが、大河原デザインのみならずカトキデザインもひょろ長くアレンジしてしまう様で。

 あと、デザインや配色の関係であまりモビルスーツという感じに見えず、むしろセガのゲームのボーダーブレイクやコトブキヤのフレームアームズのロボットみたいな印象。

 ただ、あまり設定などを考えず立体物として見れば、まずまずカッコイイMSだと思います。新しいキットなので、複雑な面構成の角はきっちりモールドされていてかっちりと綺麗にまとまっているし、非ガンダムながら強そうに見える押しの強さはなかなか。ジムスナイパーのUC版と言った所でしょうか。


 新しいキットにしては可動範囲は控えめで、ヒジやヒザも100度くらいの可動範囲。足首も少し可動範囲は狭いかも。
 ただ、可動部分の造形はきっちりしていて、一時期のHGUCの様に可動部にがっぱり隙間が開くという事は無く、見た目はずっと向上しています。個人的には可動範囲より見た目を優先したジェスタの様な設計の方がいいと思います。やっぱり模型は外観が大切だと思うので。
 ヒジの関節は、薄いPC-001ポリキャップの使用で、リアルなモールドを再現しつつポリキャップを内蔵する事が可能になっています。この細い腕は好感度高し。


 ジェスタの背面写真。最近のMSにしては非常にシンプルなバックパック。シールドのアームがバックパックに付いているという変わった構造になっています。
 脚の後ろに巨大なバーニアがあるのは、ジェガンと言うよりネモみたいなレイアウト。




 ヒジの可動は一軸なのでこの程度。肩の可動は肩アーマーの方に跳ね上げるヒンジ可動が設けられています。
 
 腰は最近のバンダイの方式で、ウエスト部分が分割されて二個のボールジョイントが仕込まれています。ただ、あまり派手にひねるとご覧の通り隙間が開いてしまうので、ポージングの際はほどほどに留めた方がいいでしょう。通常の姿勢なら隙間は目立ちません。


  シールドとバックパックを繋ぐアームは、展開状態と収納状態の二種類が付属。ただ、アームに軽め穴がぽっかり開いているのはちょっと興ざめかも。あと、シールドの可動範囲もあまり広くなく、この部分はちょっとイマイチな箇所です。
 なお、シールドのアーム自体を取り外す事も可能で、シールドを装備しない時のパーツも付いてきます。

 ジェスタ用ビームライフル。モロに特殊部隊用の自動小銃という感じ。何もサプレッサーまで付けなくとも、、、、。
 最近のバンダイキットは武器が大きめな傾向がありますが、このビームライフルも少しサイズが大きすぎる感じです。両腕で自然に構えられるのは、もはやHGでは当然ですね。

 

 
 顔部分のアップ。ヘルメットの下に、僅かにジェガンを思わせる顔が覗いています。アイカバーは透明パーツですが、ものすごく小さなパーツなので取り扱いに注意。
 首周りは防弾チョッキの襟がモチーフ?



 ビームサーベルは、モビルスーツには珍しく左腕の下腕部に収納。ヘビーメタルみたい。
 ビームサーベル刀は透明パーツが付属。サーベル本体は一本のみですが、パーツには刀だけ二本付属しているので、透明パーツが入っていない事の多い初期HGUCキットに流用するといいでしょう。


 同系の機体という事で、HGUCジェガンとの比較。
 一応全高やプロポーションは似通っていますが、デザイン的にはあまり共通部分が見られない感じ。ジェガンバリエーションの一体と言うには外観が違いすぎる様です。



 今度はHGUCジムとの比較。ジェスタは19m級のモビルスーツなので、ジムより頭一つ大きいサイズです。これでもUC時代のMSの中では小柄な方。



 一応ジェガンの同系機という事を表現するためか、バックパックの取り付け部分のジョイントがジェガンと共通になっていて、写真の様に交換する事が可能。
 ただ、両MSのデザインの作風が違いすぎてちょっと違和感が大きいかも。スタークジェガンのバックパックならもう少し似合うかな。


 HGUCジェスタは、設定画よりやや細みな感じはしますが、全体にはかちっとまとまった好キットだと思います。劇中ではユニコーンガンダムの身辺警護MSらしいですが、デザイン自体は普通の汎用MSという感じなので、色を塗り替えて好きに作っても面白いかも知れません。