バンダイ 1/144 ブレイズザクファントム&ガナーザクウォーリア 仮組みレビュー            トップページに戻る



バンダイ 1/144 ブレイズザクファントム  定価 525円  

 2002年にTVアニメが放映され、最初のガンプラブーム以来の大ヒットを記録したガンダムSEED。
 この頃は、MGやHGUCの両シリーズもすっかり軌道に乗り、その上TVシリーズのSEEDガンプラもヒットして、平成以降ではガンプラブームが最高潮を迎えていた時期。
 ノリにノったバンダイは、ガンダムSEEDの続編となるガンダムSEEDデスティニーのプラモデルシリーズを2004年に開始します。シリーズ 開始直前のバンダイの鼻息は荒く、当時模型店に配布した販売資料には、「毎週新製品を出す」とか、「新MSがTVに登場する時と同時にそのプラモデルも発売する」とか、かなり威勢のいい文句が並んでいた様に記憶しています。

 しかし、そういう風にメーカーが慢心した時は上手くいかないもので、、、。 デスティニーのプラモデルの序盤はあまり芳しいものではなく、特に主役のインパルスガンダムの売り上げが今ひとつでした。
 しかし、代わりに良く売れたのがザクウォーリアで、ガンダムが残ってるのにザクは売り切れるという初代ガンプラブームの時の様な状態に。ザクの好調な売り上げに 気を良くしたバンダイはその後ガンダム系を差し置いてザクのキットを大量に出しましたが、アニメ劇中でのザクの活躍は序盤のみで中盤以降はパッとせず、キットが揃った頃にはザク人気は急速に落ち込んでしまいます。
 で、更に今度は、よりによって前作主人公機のフリーダムガンダムが劇中で大活躍してキット需要も高まったのですが、フリーダムのキットは前作シリーズの物だったので問屋にも在庫が無く、 MGやBB戦士のフリーダムガンダムのキットが一時プレミア化する事態に、、、、。
 ともかく、デスティニーのプラモ展開はアニメ内容と商品の展開がかみ合わず、 終始グダグダだったという印象が強いですねえ。

 まあ、プラモデルの展開の是非はともかく、ザクというモビルスーツを宇宙世紀以外の作品に出したのは悪くなかったかと。ガンダムはアナザー作品でもさんざん出ているのだから、ザクも同じ事をやるのはおかしな事ではない。
 御大である大河原氏自身がデザインしたザクウォーリアは、そこはかとなく元のザクの雰囲気を感じさせる良いデザインだと思います。

 1/144ブレイズザクファントムのパーツ写真。

 この、SEED時代から始まる300〜600円のコレクションシリーズは、HGシリーズとの差別化を図るため、ヒザやヒジの間接可動を廃止し、パーツが少なく簡単に組み立てられる低年齢層向けのキットとなっています。
 前作SEEDの頃の低価格キットは、モールドが非常に甘かったりパーツの省力化が激しすぎたりしてあまり良い出来とは言えませんでしたが、デスティニーシリーズに入ってからのコレクションシリーズはモールドも向上し、外観に関してはHGシリーズと大差ない出来になっています。

 このザクファントムのキットは、ザクの基本ボディのパーツに、ザクファントム用の頭部と右シールド、あと専用の背部ブースター(ブレイズウィザード)が付属。部分的に色プラが使用されています。

 個人的にはガンダムSEEDデスティニーのコレクションシリーズは高く評価していて、HGやMGよりも気に入っている位。飾って楽しむにはそれほど凝ったギミックも要らないし、このくらいのパーツ数なら子供にも薦めやすい。非可動のシリーズを宇宙世紀のMSでも展開して欲しいくらいです。
 

 コレクションシリーズのブレイズザクファントムのパーツを組んだ状態。
 ぱっと見た感じでは低価格キットとは思えない出来で、この手のキットにありがちな安っぽさも少ないです。ただ、ブレイズウィザードが単色だったり、細部のバーニア類が色分けされてないのはパーツ省力化のため致し方ないところ。反面、腕などは非可動のためHGよりも間接部分の切り欠きが少なく、見た目はむしろ優れています。

 ヒジやヒザが可動しないコレクションシリーズですが、他の部分はボールジョイントで結構自由に可動するため、ご覧の様な見栄ポーズは取れます。
 が、それ以外の普通のポーズが非常に取らせにくい。まあ、可動を楽しみたければ素直にHGを購入するべきでしょう。



 SEEDデスティニー・コレクションシリーズの売りの機能である鉄アレイ型のボールジョイント。これ1パーツで二個のボールジョイントの役目を果たすので、かなりの自由度が得られます。肩の可動に関しては、HGキットを超えるほど。ご覧の通り両腕でマシンガンを構える事も可能。
 ただ、ポリパーツのジョイントなのであまり保持力はなく、小サイズの安価キットにしか使えない構造ではあります。


 
 ウィザードを外した所。コレクションのウィザードはHGザクやドムトルーパーにも流用可能です。ビームマシンガンは腰に装着可能。

 ブレイズウィザードは、廉価版キットにしてはギミックが豊富で、左右のブースター基部が回転し、更にミサイルポッドのハッチが可動。また、ハッチ部分がアトハメ式になっていて、塗装がやりやすい構造になっているのも気が利いています。


 ぱっと見には良くできているコレクション版ザクウォーリアですが、目立ちにくい部分にはやはりパーツ一体化のしわ寄せで、大胆に軽め穴がぽっかり開いた箇所があちこちに見られます。
 この辺は、塗装する場合は黒く塗って誤魔化すか、プラ版やエポキシパテなどで塞ぐなどの工作は必要になりそう。
 



 バンダイ 1/144 ガナーザクウォーリア  定価 525円
 
 レイ搭乗の白いザクファントムに続いて、ルナマリアの赤いザクウォーリアも一緒に紹介します。


 ザクウォーリアのキットは基本はザクファントムと同じパーツで、角の無い頭部と右肩のアーマーが異なる部分。ルナマリアの愛用するガナーウィザードが付属しています。ガナーウィザードのパーツ自体はなかなかシャープな出来。
 


 ガナーザクウォーリアを組み立てた写真。
 ルナマリア機の濃いサーモンピンクの成形色が目を引きます。シャアザクと良く似た色で、彼女のセンスの悪、、、良さ?を示しているのか。
 本体部分はほとんどザクファントムと同じなので省略。



 ガナーウィザードの長大な主砲の折りたたみギミックはコレクション版でも再現されていますが、可動式ではなく、一度取り外して差し替える必要があります。


 主砲を展開した状態。ザク本体の身長をゆうに超える長さ。ガナーウィザードの形そのものは良く出来ていて、ABSパーツで出来ているHG付属のガナーウィザードより製作する時は扱いやすいかも。ただし、左腕用の持ち手は展開せず、バックパックと主砲を繋ぐコードも省略されています。


 で、その展開した主砲を持たせた所。
 、、、、、うーむ、実は、この主砲は、このポーズでしか持たせられません。ヒジと手首が可動しないので、これ以上は上に向けられず、射撃ポーズがまったく取れないのです。
 廉価版キットとはいえ、これはちょっと厳しい。せめて、射撃ポーズ用の腕パーツを付けて欲しかった所です。ガナーザクに関しては、ポーズがきちんと決まるHG版の方が良いかも。ガナーウィザードの出来が良いだけに残念な部分です。





 ミネルバ所属のザク二体が並んだ所。思えば、レイ君もルナマリア嬢も、この機体に乗ってた時が一番良い時期だったよーな、、、。



 こちらは元祖HGUCザクとの比較。
 ザクウォーリアは頭頂高17.1mで、オリジナルのザクより若干小柄。キットはほぼ1/144で正確なスケールです。
 キットのザクウォーリアは設定よりかなり頭が小さめに造形されていますが、まあ許容範囲かな、と。似ているけど昔のザクとは違うので、ある程度の今風アレンジも仕方が無いでしょうし。

 コレクション版のザクファントム/ウォーリアは、廉価版キットとしては良く出来ていて、低年齢向け以外にも、塗装バリエーションなどを楽しむ素材としては悪くないキットだと思います。ガナーザクのポーズだけが難点ですが、間接を一度切り離して、射撃ポーズに固定して製作するという楽しみ方が良さそう。