バンダイ HGFC 1/144 シャイニングガンダム 仮組みレビュー            トップページに戻る



バンダイ HGFC 1/144 シャイニングガンダム 定価 1575円  

 宇宙世紀以外の作品のモビルスーツを1/144でHG化していくアナザーセンチュリーシリーズの新作。2011年発売。。

 平成4部作では放映当時にプラモデルが最もヒットし、比較的多くの種類のキットが発売された機動武闘伝Gガンダムですが、その多くはメインターゲットとなった低年齢向けの低価格でシンプルな内容のキットが多く、高年齢層を満足させる物は多くなかったのが実情。
 放送後も新作キットが出続けているガンダムWと比べると、プラモデルではやや不遇な扱いのGガンダムでしたが、数年前のMGに続いて、2010年より新規の1/144HGシリーズがスタートし、ゴッドガンダムやノーベルガンダムに続いてようやく1/144でHG化されたのが、このシャイニングガンダムです。

  


 HGFC1/144シャイニングガンダムのパーツ写真。武装がほとんど無い関係でランナーの面積は少なめですが、スーパーモードへの組み換えギミックがあるため、結構細かいパーツが多いです。特に顔のパーツがすごく細かいので、製作の際はパーツを無くさない様に注意。
 カラーリングが派手なので、赤や青のカラフルなパーツがAランナーに集中しています。あと、必殺技を再現するクリアグリーンのエフェクトパーツが付属。
 

 HGFCシャイニングガンダムのパーツを組んだ状態。
 最近のHGにしては割と普通の体型で、安定はしていますがあまりインパクトも無い、という感じ。シャイニング自体が意外と地味にまとまったデザインというのもありますが。
 太すぎず細すぎず、バランスは良く取れていると思います。太股のラインなどはなかなかいい形。

 身体の方はいいんだけど、顔は今ひとつの様な、、、、。ヘルメットの眼にかかる部分が下に下がりすぎて、眼のモールドがほとんど隠れてしまいます。
 もう少し、この部分を削って顔面がはっきり見える様にした方がいいかも。

 格闘ガンダムという事で間接可動は当然ながら力が入っていて、ヒジやヒザは二重間接、肩や足首も良く動きます。ただ、腰の可動はHGとしては普通レベルで、HGAWガンダムXの様な凝ったギミックは採用されていません。

 ちょっと気になったのが腰のビームサーベルラックで、ただ上に重ねて乗せるという感じで保持力ゼロ。触っただけでボロボロ取れてしまいます。
 このキットは他にも結構パーツが取れやすい部分が多く、最新キットにしては雑な印象を受ける箇所が多いです。

 

 シャイニングガンダムの特徴であるスーパーモードへの変形ですが、細かいギミックが集中する頭部については、大胆に二種類の頭部を差し替える事により再現。このサイズだと、この方式が妥当な判断だと思います。



 ただ、このキットの場合、頭部のみならず、開閉する部分のパーツのほとんどを、一旦取り外してから開状態に組みなおす方式になっています。
 この全面差し替えは流石にちょっとどうかと、、、。差し替える部分の強度も今ひとつで外れやすく、個人的には良い方式とは思えません。



 スーパーモードへの変形。差し替えではありますが、設定通りのスーパーモードが再現出来ています。
 こちらの形態の方が派手で見栄えが良く、全体のバランスもスーパーモードの方をメインに考えて設計されている様です。


 
 ふくらはぎのカバー部分。ご覧の通り開閉するヒンジなどはなく、ただカバーのダボの差し込む角度を変えて開状態を表現するという、あんまりな構造。
 保持力も無く、すぐ外れて落ちてしまいます。HGとは思えない安っぽいつくりで、ここは何とかして欲しかった部分。

 必殺技シャイニングフィンガーを再現するクリアの手首パーツ。両手分が付属しています。

 「ダメ。ゼッタイ。」とか言いそうなポーズが似合う、ビッグエフェクトパーツ。
 いかにもGガンらしさを表現するパーツですが、これもクリアの平手の上に置くだけ、という困った装着方法で、まったく固定できません。両面テープなどで止める必要があるかも。

 シャイニングフィンガー以外に、シャイニングフィンガーソードという緑色のソードと、通常武器のビームサーベル刀が二本付属。あと、サーベルを持たせるために、握りこぶしとは別の専用手首パーツが付属。シャイニングガンダムはあまりサーベルを持つというイメージが無いですね。

 背部のコアランダー着脱ギミック。旧1/144でさえ再現していた簡単なギミックなので当然再現。ただ、キャノピーは残念ながら不透明。


 キットを動かしていてちょっと気になったのですが、このキットは股関節にどうも引っ掛かりがあり、内股のポーズを取る事が出来ません。
 写真を見ると判る通り、太股の付け根の部分に妙な出っ張りがモールドされていて、これが股関節基部に引っかかっているのです。

 設計者がどういう意図でこの出っ張りを付けたのか不明ですが、この部分は邪魔なだけなので、削り飛ばしてしまいましょう。
 写真では未加工ですが、ついでにポリキャップが可動する切り欠き部分を少し下側に削って広げると、更に可動範囲が広がります。

 内股を可能にすると、こういう緊張感のある構えのポーズも取れる訳で。
 モビルファイターは人間っぽいポーズが取れた方がそれらしいので、間接可動の制約は少ない方が望ましいです。




 旧キットのシャイニングガンダムが行方不明だったので、代役の1/144ガンダムローズで比較。
 ご覧の通り、HGFC版は一段背が高いです。実はHGFCのGガンダムシリーズは、厳密に言うと1/144ではなく、1/130前後の縮尺になっています。
設定通りの1/144の大きさにするとHG用のポリキャップが間接に入らないため、若干大型化させたと想像。
 厳密な統一スケールになっていないのは難点ですが、Gガンダムの場合作品世界が比較的おおらかなので、まあそこまで縮尺にこだわらなくとも
良いと思います。


 
 同じアナザーセンチュリーシリーズのガンダムXD.Vと。本来はシャイニングガンダムの方が一回り小さい筈ですが、大体同じサイズになっています。
 やたらとスマートなHGAWガンダムXと比べると、HGFCシャイニングガンダムは普通の体型。

 HGFCシャイニングガンダムは、放映当時の1/144キットと比べるとはるかに進歩しており、全体形や可動はほぼ満足のいく内容になっていると思います。
 ただ、差し替え式のパーツがやけに取れやすかったり、接続部分がぞんざいな構造になっている箇所が多く、最近のキットにしては荒い部分が多いのが残念な所。